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2009年10月

障害者自立支援法をめぐる政局について

YOMIURI ONLINE(読売新聞)は、障害者自立支援法の廃止と、それに代わる新法の制定を目指す緊急学習会が17日、鹿児島市の心身障害者総合福祉センターで開かれ、心身障害者や家族、施設関係者ら約60人が参加した。鳩山政権が同法の廃止を打ち出しているが、撤廃に向け、提訴を含めて今後も活動を続けることを確認した。県内の障害者団体などでつくる鹿児島障害者運動センターが主催した。 とする18日付け読売新聞の記事(障害者自立支援法撤廃向け活動続行)を報じている。

当該記事によれば、障害者自立支援法は2006年4月に施行され、福祉サービスを受ける際、その費用の原則1割を自己負担する「応益負担」を定めている。このため、共同作業所に通所する人のなかには、月に約1万円の工賃にもかかわらず、利用料の支払いなどで出費の方が上回るケースもある。 とされている。

結果、障害者基本法第三条に違反し、当該障害者の尊厳は踏みにじられ、社会を構成する一員として労働に参加する機会から排除され、障害者に対して、障害を理由として、差別することに至り、延いては日本国憲法第十三条並びに第十四条に違反することに至るのではないか。

当該記事によれば、現在、同法は憲法違反だとして、障害者ら約60人が全国13地裁で集団訴訟を起こしている。鳩山政権発足後の9月19日、長妻昭厚労相が廃止を明言すると、同月24日に開かれた広島地裁の口頭弁論では、争っていた国側が「同法を廃止して、総合的な制度を検討する」と主張を変えた。 とされる局面にあり、今後の動向が注目される。

障害者の生活に係る社会福祉について

2009年10月15日木曜日、YOMIURI ONLINE(読売新聞)は、障害者自立支援法に基づくホームヘルプなどの福祉サービスに対し、厚生労働省は14日、来年度から市町村民税非課税世帯の利用料を無料にする方針を固めた。長妻厚労相は同法の廃止を打ち出しており、廃止までの間、利用者の負担を軽減させる。 この結果、「受益者負担」を原則とする自立支援法は、事実上の“全面見直し”状態になりそうだ。来年度予算の概算要求に300億円程度を盛り込む方針。 とする14日付け読売新聞の記事(障害者サービス無料化…厚労省方針)を報じている。

当該記事によれば、現行法では、ホームヘルプや就労支援などの在宅・通所サービスを利用する障害者のうち、生活保護世帯を除く利用者から、所得に応じて月1500円〜3万7200円を限度に利用料を徴収している。 しかし、負担が重いとの声が強いため、来年度から月1500円〜3000円を限度に利用料を支払っている市町村民税非課税世帯に対し、無料化に踏み切る。施設入所者の利用料なども軽減する方針だ。 自立支援法に基づく福祉サービスを利用する障害者は約50万人で、このうち約30万人が在宅、通所サービスを受けている。市町村民税非課税世帯は在宅、施設を含めて約75%を占めており、今回の見直しで、大半の利用者が負担軽減の対象となる見通しだ。 等とされる。

思うに、国は、日本国憲法第二十五条第二項により、障害者に係る生活部面について、適正な措置を講ずることとしたものではないか。

しかし、当該記事によれば、現行の自立支援法は2006年度の施行。「受益者負担が基本」とされ、原則1割の利用料負担を求めた。このため、それまでの制度に比べて利用料の負担が増えたことから障害者が反発。自公政権時代に2度にわたる負担軽減策もとられてきた。 とされているように、これまで障害者が、生活に必要な福祉サービスを受けることは、国政において認められるべき権利として理解されず、個人負担を要する便益とされてきた経緯がある。

障害者基本法第二条により「継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」とされる障害者に関し、国はその生活部面について、どのような措置を講ずるべきか。今後の動向に注目したい。

障害者自立支援法訴訟とわが国の責務について

2009年10月5日月曜日、Doshin web: 北海道新聞は、自立支援法 廃止方針を歓迎したい(10月5日)−北海道新聞[社説] とした上で、その旨の社説を公開している。次のとおり。

障害者自立支援法の廃止を、長妻昭厚生労働相が表明した。

支援法は施設やホームヘルパーの介助などを利用する障害者に経済的な負担を課し、「自立を阻害する」と障害者などから強い批判が出ていた。

当事者の信頼を得られない制度は改めるしかない。ましてや、弱者救済という行政本来のあるべき姿からかけ離れた法律である。

廃止方針は、先の衆院選での民主党のマニフェスト(政権公約)にも盛り込まれていた。政権交代を機にこの法律が廃止されることを歓迎したい。障害者の思いに沿った制度につくり直してほしい。

当該社説は、同法により導入された「応益負担」の措置につき、疑問を呈している。

2006年に支援法が施行されるまで、福祉サービスの利用者負担は本人の所得に応じて支払う「応能負担」だった。一般的に障害者の所得は低いため、自己負担がないケースが大半だった。

一方、支援法は、障害者が福祉サービスを受ける際に原則として費用の1割の自己負担を求める「応益負担」を導入した。障害が重いほど福祉サービスは必要となり、自己負担もそれだけ増えることになる。

授産施設で働いて得た賃金と施設利用料がほぼ同額になることもあり、働く意欲を減退させると指摘された。サービス利用を減らしたり、やめたりするケースも出ていた。

とりわけ移動や食事、トイレの介助といった日常生活に欠かせない分野のサービスにまで自己負担を求める措置には、大きな疑問があった。

思うに、それはもっともな疑問である。なぜなら、当該の措置は、国政によるものであるにもかかわらず、その前提とされる日本国憲法に違反するものに他ならないからである。すなわち、それは日本国憲法第二十五条の定めにもかかわらず、対象とされる障害者に係る当該権利を侵害し、日常生活又は社会生活に関し、必要な福祉サービスの利用につき、当該費用の一割の自己負担を求めるものであり、具体的には対象とされる障害者につき、「移動や食事、トイレの介助といった日常生活に欠かせない分野のサービスにまで自己負担を求める」ことにより、日本国憲法第十四条第一項並びに同憲法第二十五条に違反すること必至のものである。

であるとすれば、その措置に疑問があったとされるのは当然だろう。さらに、記事は当該措置に係る集団訴訟について述べ、その後の展望に及ぶ。次のとおり。

昨秋以降、支援法による応益負担は障害者の生きる権利を侵害して憲法違反として、全国の障害者約60人が国を相手に、旭川や東京、広島など13地裁に集団訴訟を起こした。

国は最近まで、全面的に原告と争ってきたが、長妻厚労相の廃止表明を受け、先月下旬に広島地裁で行われた口頭弁論で、従来の姿勢を転換した。当然の対応である。

問題は廃止後の新しい制度をどうつくるかだ。

新政権の政策合意には、「利用者の応能負担を基本とする総合的な制度」の創設が盛り込まれた。ただ、移行時期や新制度の具体像などは明示していない。

障害者の不安を解消するためにも制度の骨格をできるだけ早く示してほしい。もちろん制度設計に当たっては、関係者の声に真摯(しんし)に耳を傾ける必要がある。

現行の支援法は就労支援もうたっているが、実際には十分に機能していない。新制度はこの点でも実効性のあるものにすべきだ。

障害者が社会の中で生きていく上で、真に助けとなる仕組みを築いてもらいたい。

障害者が差別されることなく、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を認められること、国が、その生活部面について、社会福祉、社会保障の増進等に努めること、これらは日本国憲法によるわが国の責務であろう。

障害者自立支援法訴訟について

2009年10月2日金曜日、NHK オンラインは、自立支援法裁判 国が解決打診 とした上で、障害者が福祉サービスの費用の1割を負担する障害者自立支援法の廃止を求めている裁判で、国が弁護団に解決のための話し合いを打診していることがわかりました。新政権の法律廃止の方針を受けた具体的な動きの一つとみられ、弁護団は対応を協議することにしています。 と報じている。詳しくは次のとおり。

3年前に施行された障害者自立支援法は、福祉サービスを利用した障害者に原則として1割の自己負担を求めるもので、全国で70人の障害者が14の地方裁判所に法律廃止や損害賠償の訴えを起こしています。これらの裁判で争ってきた国は、政権交代のあと長妻厚生労働大臣が自立支援法を廃止する考えを示し、その後開かれた一部の裁判で法廷での主張を見直すことを示唆していました。原告の弁護団によりますと厚生労働省の担当者から「裁判の解決に向けて話し合いの場を設けたい」という打診が3日前にあったということです。これは、法律廃止の方針を受けて裁判の決着を探る具体的な動きの一つとみられ、弁護団は、国との話し合いに応じるかどうか原告から意見を聞いて今月8日をめどに対応を決めたいとしています。厚生労働省は「対応を検討中だが、まずは原告の要望を伺いたい」と話しています。

上記内容によれば、「障害者が福祉サービスの費用の1割を負担する障害者自立支援法の廃止を求めている」とされる事案につき、裁判所法第三条により、法律上の争訟として裁判の対象に及んでいたとされる事実が認められる。なお、同条第一項に「裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。」とする定めがある。

さて、当該請求に係る訴えは認められるべきか。

思うに、それは退けられるべきではあり得ない。なぜなら、それは合理的な内容の請求に係るものに他ならないからである。すなわち、それは合理的な判断において認められるべきものであり、具体的には、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」とする日本国憲法の定めに則り、合理的な裁判において認められるべきものである。

であるとすれば、当該請求に係る訴えは認められるべきものであろう。なお、「福祉サービスを利用した障害者に原則として1割の自己負担を求めるもの」とされる障害者自立支援法は、当該法律の下に、対象とされる障害者等を差別し、健康で文化的な最低限度の生活を営むことにつき、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給し、原則一割を当該障害者等の自己負担とするものであり、したがって、日本国憲法第十四条、第二十五条に反するものであることは明らかである。

障害者自立支援法とは何か

2009年10月1日木曜日、毎日jpは、障害者自立支援法訴訟:「廃止し見直す」 口頭弁論で国側表明--地裁 /埼玉 とする記事を報じている。これによれば、収入に関係なく福祉サービス利用料の原則1割を障害者が負担する「応益負担」を定める障害者自立支援法は生存権などを侵害して違憲だとして、障害者12人が国や自治体に負担の廃止などを求めている訴訟の口頭弁論が30日、さいたま地裁(遠山広直裁判長)であった。国側は「新政権の下、法を廃止して制度を見直す。訴訟遂行のあり方も検討したいので猶予をいただきたい」として、方針の転換を明らかにした。 とされている。

さて、当該障害者自立支援法とは何か。

思うに、それは当該「違憲だ」などとする訴えを免れるものではあり得ない。なぜなら、それは前提とされる日本国憲法の定めにもかかわらず、「収入に関係なく福祉サービス利用料の原則1割を障害者が負担する「応益負担」を定める」ことにより、当該法律の下に、対象とされる障害者等を差別し、健康で文化的な最低限度の生活を営むことにつき、当該負担義務を負わせるものに他ならないからである。

すなわち、それは前提とされる日本国憲法の定めにもかかわらず、当該法律の下に、対象とされる障害者等を差別し、健康で文化的な最低限度の生活を営むことにつき、必要な障害福祉サービス等に要した費用に係る負担義務を負わせることなしにはあり得ないものであり、具体的には、前提とされる日本国憲法により、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」(同憲法第十四条)とされ、また「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(同憲法第二十五条)とされていたにもかかわらず、当該法律の下に、対象とされる障害者等を差別し、健康で文化的な最低限度の生活を営むことにつき、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給し、原則一割を当該障害者等の自己負担とする国政において全うされる実在である。

であるとすれば、やはりそれは違憲と言わざるを得ず、当該訴えを免れるものではあり得ないだろう。

また、同日、中日新聞は、廃止論歓迎 混乱は不安 障害者自立支援法 とする記事を報じている。これによれば、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた障害者自立支援法の廃止をめぐり、富山、石川両県の障害者団体関係者が気をもんでいる。二〇〇六年の同法施行以降、「自立」とは名ばかりで、福祉サービスの利用者負担は重く、福祉事業者の経営は苦しさを増した。廃止に歓迎の声もあるが、法廃止後の制度設計も不透明で、現場の実情を反映するよう求める声が上がっている。 / 「法律の理念自体は素晴らしかったが…」と評するのは、富山市の社会福祉法人「フォーレスト八尾会」理事の村上満さん(40)。同法はこれまでバラバラだった知的、精神、身体の三つの障害者福祉施策を一元化。だが利用者の負担がかえって重くなるなど「サービス後退を招いた面は否定できない」という。 とされている。

さて、当該障害者自立支援法とは何だったのか。

思うに、そもそも同法は前提とする理念に則ったものではあり得ない。なぜなら、それは障害者基本法の基本的理念に背くものに他ならないからである。すなわち、「収入に関係なく福祉サービス利用料の原則1割を障害者が負担する「応益負担」を定める」ことにより、障害者基本法の基本的理念に背くことなしにはあり得ないものであり、具体的には、「この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的理念にのっとり、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)、知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。」としたにもかかわらず、「収入に関係なく福祉サービス利用料の原則1割を障害者が負担する「応益負担」を定める」ことにより、「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」とする障害者基本法第三条第一項の定めに違背し、当該障害者につき、その生活にかかる必要な福祉サービス利用料の一割負担義務を負う者とし、また「すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。」とする同条第二項の定めに違背し、当該障害者につき、日本国憲法第二十五条の定めに基づく権利を共有する社会から排除し、さらに「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」とする同条第三項の定めに違背し、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為が必至のものである。

であるとすれば、所詮、それは徒花であったということだろうか。

2009年9月

障害者自立支援法は違憲か

2009年9月30日水曜日、47NEWS によれば、障害者への福祉サービス費用を原則1割自己負担とする障害者自立支援法は違憲として、さいたま市の男性(35)ら12人の障害者が国や自治体に負担の免除などを求めた訴訟の口頭弁論が30日、さいたま地裁(遠山広直裁判長)で開かれ、国側は今後の対応について「検討中なので猶予をいただきたい」と述べ、従来の争う姿勢を転換した。さいたまでも争う姿勢転換 障害者支援法訴訟で国 - 47NEWS)とされている。なお、同様の訴訟は全国13地裁で係争中だが、長妻昭厚生労働相が同法の廃止方針を明らかにして以降、広島、盛岡両地裁などの訴訟でも、国は争わない姿勢を示している。 とも。

さて、当該障害者自立支援法は違憲か。

思うに、それは違憲とする訴えを免れるものではあり得ない。なぜなら、それは前提とされる日本国憲法の定めにもかかわらず、当該法律の下に、対象とされる障害者等を差別し、健康で文化的な最低限度の生活を営むことにつき、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給し、原則一割を当該障害者等の自己負担とするものに他ならないからである。

すなわち、それは前提とされる日本国憲法の定めにもかかわらず、当該法律の下に、対象とされる障害者等を差別し、健康で文化的な最低限度の生活を営むことにつき、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給し、原則一割を当該障害者等の自己負担とすることなしにはあり得ないものであり、具体的には、前提とされる日本国憲法により、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」(同憲法第十四条)とされ、また「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(同憲法第二十五条)とされていたにもかかわらず、対象とされる障害者等を差別し、健康で文化的な最低限度の生活を営むことにつき、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給し、原則一割を当該障害者等の自己負担とする国政において全うされる実在である。

であるとすれば、やはりそれは違憲と言わざるを得まい。

障害者自立支援法とは何か

2009年9月26日、毎日jp和歌山の地域情報)によれば、障害者自立支援法が障害者に福祉サービス費の原則1割負担を課すのは、「障害者の生存権を侵害し違憲だ」として、和歌山市の男性が国と和歌山市に負担撤廃などを求めている訴訟の第2回口頭弁論が25日、和歌山地裁(大西嘉彦裁判長)であった。全面的に争う姿勢を見せていた国側は、「同法を廃止し、(所得に応じてサービス利用料を負担する)応能負担を基本とした新制度をつくる」と態度を一転させた。毎日新聞 2009年9月26日 地方版 「障害者自立支援法訴訟:「応能負担の制度つくる」国側が態度一転 /和歌山)とされている。

さて、そもそも障害者自立支援法とは何か。

さしあたって、それはわが国の法律である。なぜなら、そもそもわが国においては、日本国憲法の定めるところにより、「法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。」(同憲法第五十九条第一項)とされていたところ、厚生労働省によれば、障害者自立支援法の成立につき、これらの課題を解決し、今後もサービスの利用が伸びていく中で、サービスの質や、必要なサービス量を確保するとともに、より安定的かつ効率的な制度とするため、制度全般にわたり見直しを行い、第162回通常国会に「障害者自立支援法案」を提出したところであるが、衆議院の解散に伴い、審議未了による廃案となった。その後、「障害者自立支援法案」は第163回特別国会に再提出され、2005(平成17)年10月31日に成立したところである。(「平成18年版 厚生労働白書 持続可能な社会保障制度と支え合いの循環 〜「地域」への参加と「働き方」の見直し〜」、265頁)とする経緯が認められるからである。なお、当該法案の概要につき、厚生労働省:障害者自立支援法 「2 法案の概要」にその旨の記載がある。次のとおり。

(1)給付の対象者

(2)給付の内容

(3)給付の手続き

再度、障害者自立支援法とは何か。

思うに、それは憲法違反とするを免れるものではあり得ない。なぜなら、それは前提とされる日本国憲法の定めにもかかわらず、対象とされる障害者等につき、法律の下に、健康で文化的な最低限度の生活を営むに当たり、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給することとした上で、「残りは利用者の負担。」とするものに他ならないからである。

すなわち、それは前提とされる日本国憲法の定めにもかかわらず、対象とされる障害者等につき、法律の下に、健康で文化的な最低限度の生活を営むに当たり、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給することとした上で、「残りは利用者の負担。」とすることなしにはあり得ないものであり、具体的には、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」(日本国憲法第十四条)、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(同憲法第二十五条第一項)とする日本国憲法の定めにもかかわらず、対象とされる障害者等につき、法律の下に、健康で文化的な最低限度の生活を営むに当たり、必要な障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給することとした上で、「残りは利用者の負担。」とすることにより、当該義務を負う者として差別する国政において全うされる実在である。

であるとすれば、やはりそれは憲法違反とする非難を免れるものではあり得ないだろう。

障害者自立支援法訴訟、「利用者の負担」とは何か

2009年9月26日、asahi.comマイタウン岩手)によれば、障害者のサービス利用で原則1割の負担を課す障害者自立支援法は違憲だなどとして、藤沢町の施設に入所する佐々木亮さん(39)が、国と施設利用料を設定する奥州市を相手に利用料約30万円の返還などを求める訴えの第2回口頭弁論が25日、盛岡地裁(田中寿生裁判長)であった。国側は、長妻昭厚生労働相が同法廃止を明言したことを受け、全面的に争う姿勢を転換。予定していた主張の陳述を留保した上で、「訴訟遂行のあり方を検討する」として3カ月の猶予を求めた。障害者自立支援法違憲 県でも方針変更)とされている。

ところで、そもそも障害者自立支援法とは何か。

さしあたって、それはわが国の法律である。なぜなら、わが国においては、日本国憲法の定めるところにより、「法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。」(同憲法第五十九条第一項)とされていたところ、厚生労働省によれば、障害者自立支援法の成立につき、これらの課題を解決し、今後もサービスの利用が伸びていく中で、サービスの質や、必要なサービス量を確保するとともに、より安定的かつ効率的な制度とするため、制度全般にわたり見直しを行い、第162回通常国会に「障害者自立支援法案」を提出したところであるが、衆議院の解散に伴い、審議未了による廃案となった。その後、「障害者自立支援法案」は第163回特別国会に再提出され、2005(平成17)年10月31日に成立したところである。(「厚生労働省:平成18年版厚生労働白書(本文)」、265頁)とする経緯が認められるからである。なお、当該法案の概要につき、「給付の手続き」とした上で、障害者等が障害福祉サービスを利用した場合に、市町村はその費用の100分の90を支給すること。(残りは利用者の負担。利用者が負担することとなる額については、所得等に応じて上限を設ける。)厚生労働省:障害者自立支援法)とされている。

それでは、当該給付の手続きに係る「利用者の負担」とは何か。

思うに、それは憲法違反の疑いを免れるものではあり得ない。なぜなら、そもそもわが国においては、日本国憲法の定めるところにより、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」(同憲法第十四条)、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(日本国憲法第二十五条第一項)とされていたところ、それは障害者自立支援法の下に、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行うことにより、当該障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給することとし、「残りは利用者の負担」とするものに他ならないからである。すなわち、それは前提とされる日本国憲法の定めにもかかわらず、障害者自立支援法の下に、当該自立支援給付の対象とされる障害者等を峻別し、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行うことにより、当該障害福祉サービス等に要した費用の百分の九十を支給することとし、「残りは利用者の負担」とすることなしにはあり得ないものであり、具体的には日本国憲法第十四条の定めに違反して、障害者自立支援法の下に、当該自立支援給付の対象とされる障害者等を差別し、又、同憲法第二十五条第一項の定めに違反して、当該障害者等につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行うことにより、当該障害福祉サービス等に要した費用の百分の十を当該利用者負担とする国政の実践において全うされる実在である。

であるとすれば、直ちに是正されるべきではないか。なお、前記記事によれば、弁護側によると、被告側は7月31日、同法は憲法違反に当たらない、との主張を記した準備書面を地裁に提出していたといい、この陳述が留保された。 ともされている。

障害者自立支援法、違憲訴訟で係争方針変更 国側示す 2009年9月24日 asahi.com

2009年9月24日 asahi.com によれば、 福祉サービスに応じて障害者に原則1割の自己負担を求める障害者自立支援法は、憲法が定める「法の下の平等」に反するなどとして、広島県廿日市市の夫婦と広島市の男性が国や市に負担の取り消しなどを求めた訴訟の口頭弁論が24日、広島地裁(橋本良成裁判長)であった。被告側は、全面的に争うこれまでの方針を転換する考えを示した。 とされている。

被告側が示した考えは、適切なものと言えるだろう。なぜなら、そもそも対象とされる福祉サービスは国政において実施されるべきものであり、したがって、当該「福祉サービスに応じて障害者に原則1割の自己負担を求める障害者自立支援法は、憲法が定める「法の下の平等」に反する」とする主張はもっともなものだからである。すなわち、対象とされる福祉サービスは、前提とされる基本的理念に則り、障害者につき、必要な福祉を実現するものであり、国政において実施されるべきものに他ならず、当該「福祉サービスに応じて障害者に原則1割の自己負担を求める障害者自立支援法」の実施は、同法の下に、当該福祉サービスが必要とされる障害者に対し、個別の負担を強いるものに他ならず、したがって、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とする日本国憲法第十四条第一項の定めに違反するものであることは明らかだからである。

障害者自立支援法「廃止する」 長妻厚労相が明言 2009年9月19日 asahi.com

2009年9月19日 asahi.com によれば、 長妻昭厚生労働相は19日、障害者が福祉サービスを利用する際に原則1割の自己負担を課す障害者自立支援法について「廃止をしていく」と述べ、同法の廃止を明言した。廃止後の仕組みづくりが整った段階で、廃止に踏み切る方針だ。厚労省内で、記者団の質問に答えた。 とされている。

これは極めて合理的な発言と言えるだろう。なぜなら、そもそも当該福祉サービスの実施は、障害者自立支援法によるものに他ならないからである。すなわち、それは、同法第一条の定めにより、障害者基本法の基本的理念に則ったものであるべきであり、具体的には、「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」(同法第四条第一項)、「すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。」(同条第二項)、「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」(同条第三項)等の理念に則り、国政において実施されるべきものだからである。


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